絨毯のメンテナンスは10年に一度くらい、水洗いをする必要があります。
水洗いをすることにより汚れを落とすということはもちろん、パイルの芯となっている軸糸にある程度の水分を与えるという目的もあります。そうすることによって絨毯はしなやかさを増して行き、草木により染められたパイルの色合いを一段と風合い良く、落ち着いた色にしていきます。古い絨毯には時間という工程を経て、新しいものにはまねのできない価値を与えてくれます。
絨毯の水洗い
畑を耕す鍬のような物を使い、前方に向かって絨毯を力強くしごきます。見ているほうとしては破けはしないかとひやひやするほど大胆に行われます。こうすることにより、パイルの奥まで入り込んでしまったごみや埃を掻きだします。ウールもシルクも同じように行われます。
シルク絨毯のシェアリング
シルクの絨毯は水洗いすると毛先が固くなります。その処理のためパイルの毛先をほんの少しカットします。この工程はシルクの絨毯のみ行われます。
よく、パイルがなくなってしまわないかと質問されますが、十年に一度ほんのコンマ何ミリカットするだけですのでそう簡単になくなるものではありません。
水洗いした絨毯を天然乾燥
水洗いした絨毯を 、天日に干しします。絨毯の乾燥は乾燥室等に入れるのではなく、昔からの手法である天然乾燥です。